ひねもすユーフラテス

HINEMOSU EUPHRATES

NON SEX AND NON WORK AND NON MONEY AND THE CITY

 

2015年秋(11月24日*1以前)に書いた日記が下書きにあった。HELLO, LAZY!*2 するまでもない。「矯正不可能な怠惰」とは俺のことよ。

来週妹にご飯をおごる予定だからちょっとだけ許してほしい。ちょっとだけ。

 

 

ノンセックスアンドノンワークアンドノンマニーアンドザシティ。

英語よくワカッテナイ。

 

野ブタ。をプロデュース』から10年ですって。

2005年秋、私はまだまだカツーンのファンでもなんでもなくて、ただふらふらしているだけの女だった。フルタイムで入っていたバイトも辞めて、単発のバイトで日々をしのいでいた。定職に就く気はまるでなかった。就活もほとんどしていなかった。

海外に行きたいなーとか、あても金もないのにそんなことをのんきにふわふわと考えていた。

 

あれは確か11月の終わりだったか。どこかの駅で、通行人の数を数えるバイトをしたことがあった。秋は交通量調査のバイトがたくさんあって、1日1万円ぐらいもらえたので、当時はしょっちゅうそんなことをやっていた。

その日は2人1組で駅の中で通行人の数を数えていた。ペアになった男性はおそらく30代前半くらいで、脚本家を目指しているという話だった。仕事を辞めてスクールにも通っているらしかった。

駅構内を行き交う人々の数をカウンターでカチカチとカウントしながら、その人とドラマの話をした。

「今期、何観てますか?」

野ブタと、あとは、花より男子ですかね……」

「僕もです! おもしろいですよね!」

「おもしろいですよねー。『本を読め、本を』*3とか、笑っちゃいましたわー」

とかなんとか話していた。

彼は野ブタの何話だったかについても熱弁していたのだけど、残念ながら忘れてしまった。私が見逃した回だった。「あれは観てほしかった。ほんと観てほしい」と言われた回が結局何の回のどんなシーンだったのか、まったく思い出せない。修二と彰についても話をしたような気がするのだけど、覚えていない。「亀梨くんは、チャラそうに見えて一本筋の通った芯の強さがありますよね」とか、いかにもカメが言われそうなことを言っていたような気もするけど、これは私が言ったことのような気がしないでもない。当時野ブタを観ていた別の友人が言っていたような気もする。

 

私はその人から井上真央松嶋菜々子が同じ事務所なのだという話を聞いた。「ドラマはだいたい同じ事務所の人が出ていたりするから、そういう繋がりを知ったら、いろいろとなるほどと思うことも多くなると思いますよ」と言われた。当時の私はそんなことも知らなかったのだけど、みんな知っていたのだろうか。

 

思えば私は大学時代あまりテレビを観ていなかった。というか、2000年代のテレビの記憶が、全般的に薄い。カツンを好きになってからテレビを観る機会が増えたような気がする。

地元にいたころはテレビっ子で、とくに好きな人が出ていなくとも、なんとなくミュージックステーションを観ていたし、ドラマもけっこう観ていた。だけど東京に出てきたら、まるでテレビを観なくなった。

2005年当時も、家にいるときはMTVとかスペースシャワーとかMオンだとかなんかそのへんを流していたような気がする。だからたぶん、野ブタ花より男子は、私にしては久しぶりに観ていたドラマだったのだと思う。でもそういや木更津キャッツアイとStand Up!!と時効警察とかはけっこう観ていたな……。

 

あれから10年が経ち、私は相変わらずうだつのあがらない日々を送っている。そうなるようにしか生きてこなかったから、まぁ、そうなる。

ちゃんと仕事をして、30万円を一括で払っても痛くもかゆくもないぐらい稼いでいたこともあったけど、今となっては遠い話だ。夢のような話だ。恐ろしいほどに10年前と今現在とでは、状況が変わっていない。むしろ年齢を重ねたぶんだけ状況は悪くなっている。なんせしょっちゅう体調が悪い。これが一番きつい。忙しくもないのに夜ふかしとかしているせいだろうけど。これもまぁそりゃそうだろうという感じだけど。しかし30万円を一括で払えるというのは、今の私からしてみれば信じられない話なのだけど、他の人からしたら30万円ぐらいという話なのかもしれない。「あたしも2年ぐらい何もしてなかったよー」と言っていた人の貯金が200万円以上あると聞いたときはさすがにへこみそうになったけど、これもまた他の人からしたら、200万円ぐらいあるっしょその年齢なら……という話なのかもしれない。

 

私はこんな状態だけれども、あのときのあの人は今何をしているのだろう。脚本家になったのだろうか。それともどこかで折り合いをつけて、何か別の仕事に就いたのだろうか。

 

その人とドラマの話を続けていたら、見回りに来た現場のリーダーに、「私語はやめて」と注意され、別の場所に離されてしまった。

帰り際、「今週も楽しみですね」と話をして、「お疲れ様です」と別れた。今思い出したけど、野ブタのあの3人の恋愛関係になりそうでならない絶妙さみたいなことについても話していたような気がする。

 

10年あれば何でもできたのになー。10年あってもこんなにも変わらないでいるヤツもいるものなんだなー。せめて全身の永久脱毛はこの10年の間に、金があったうちに終わらせておくべきであった。それだけは切実に思う。あと歯の治療とか。

そういったことを考え始めるとキリがないし、頭の中にぼうっと霞がかかってしまうので、あまり自分を追い込むのはやめよう。追い込めよといくら周りに詰められても、結局追い込めないし。

 

先週、久しぶりに「ザ・社会」といった感じの場所で働いてみた。私デキるやつだなと思った。しかし1日働いたら2日休みたくなってしまう。でも先週は6日間働いてみた。イケた。

そろそろまじめに転職活動をしなければいけない。家賃が払えない。というか、払っていない。私が払えない分を妹が払っている。妹に生かされている。親からもお金を借りている。それなのに好きなアイドルの主演舞台には8回行った。8月はまだ一応暮らしていけるだけのお金はあったので、調子にのりつつも明日はないぜ気分で8回観に行った。当初は4回観る予定だったのを2倍に増やしてしまった。「今しか観れない」と思った。「後のことはなんとかする」とそのときは思っていた。

しかし問題は9月以降だった。舞台の最終観劇を終えた日はとても感動して、「今度は自分の番だ」と思ったにもかかわらず、9月に入ったとたんにただでさえ少ない勤労意欲がまるでなくなってしまった。ジャニ―ズアイドルのファンやってるいい年こいた大人がこんなんでいいわけがない。もっと余裕を持ってやるべきである。

 

友人に「よく許されてるね、存在を」と言われる。働かない家事もしない部屋も片付けない。時々思い出したかのようにごみを捨てたりご飯を炊いたりお茶をわかしたり妹の肩や背中をもんだり転職サイトを見ては「気になる」リストに入れてみたり単発のアルバイトに行ってみたりとかはしている。あとはだいたい寝ている。寝てばかりいる。「きみのセールスポイント、なに?」と言われる。いやほんとに、ない。

 

そんな私に妹は「クソが」と吐き捨てながらご飯をおごってくれたりする。「ありがとぉっ♡」と最上級のぶりっ子で返し、また「クソが」と吐き捨てられる。そのたびに、妹のために働こう。そうしよう。と思う。しかし、妹のために働こう。そうしよう。と最初に思ってから数ヵ月たっているので、もしかしなくとも絵に描いたようなクズ系長子なのかもしれない。「もう帰ってきなさいよ」と、地元にいる母親は言う。そうすればいろいろな借りがチャラになってしまう気がする。しかし私はまだまだ東京で借りを返したい。

 

まじめに転職活動をがんばりたいので、とりあえずどなたか10万円くれないか。

ひとまず今週発売になったカツンのコンサートDVDを観てからならがんばれる気がする。たぶん。おそらく。いや、ないか。

 

*1:ベストアーティストという歌番組で赤いコートをまとったKAT-TUNから衝撃の発表がなされた日。

*2:KAT-TUN『UNLOCK』の歌詞。1番は「HELLO, CRAZY!」で2番には「HELLO, LAZY!」というパートがある。

*3:ドラマ版『花より男子』でヘミングウェイのことをハミングイェーと言った道明寺がつくしにしたり顔で言ったセリフ。